モテない俺は顔が悪い訳ではない。

引っかかる思い出




「俊ちゃん!」


屋上の扉が開かれ、皆川さんと真中さんがお弁当を持って入ってきた。


「楓。」


ちょっと嬉しそうだけどポーカーフェイスを保っている俊太を見て俺は笑った。


「…んだよ。」


「なんでもありましぇーん。」


「うざっ。マジでうざっ。」


「あはは。」


俺らのやりとりを見てなのか、真中さんが笑っていた。


「中谷くんはやっぱり面白い。」


真中さんがそう言って笑ってくれるのがなんだか嬉しかった。


「やだー。照れちゃう。」


照れたのは本当で、誤魔化す為に変なことを言う俺。


「だからキモいんだよ。」


またまた殴られる俺を2人は笑って見ている。


おいおい助けてくれや。


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