モテない俺は顔が悪い訳ではない。


「あのなぁ、お前がモテないのは今に始まった事じゃねーだろ?」


「俺だって彼女の1人や2人や3人や4人ほしい!」


「知ってるか?お前みたいなのを世間では浮気者って言うんだよ。」


駿太は冷たい目で俺を見ている。


「ちゃうちゃう、じょーだん!ジョークだよ~。」


「なんかうぜー。マジでうっぜー。」


「そんなに本気な顔で言うなよ…。…あ!本気と書いて、マジと読むから!」


「頼むから地獄におちてくれ。」


「すみません…。」


じゃねーよ!


「俺はエンジョイしたいんだー!!彼女ほしーんだぁーーー!」


放課後の誰もいない教室で、俺だけの声が響く。


「そうゆう行動してるから女が幻滅するんだろーが。」


え……。


「お前はな、顔はまぁいいんだよ。身長だってそこそこあるし、太ってもいなけりゃあかといって痩せてる訳でもない。」


「ほうほう。」


「しかし、その性格だ。」


ビシッと指を指される。


「はっきり言って友達止まりな性格。恋愛対象外。そのうざさが女を近付けさせない。」


ヤバい…。心が痛い……。


「だってお前、恋愛経験ないだろ?好きな人すら聞いたことねーし。」


「好きな人くらいいるさ。」


「嘘だろ?」


ギクッ……。


「だってまず、女に興味なさそうな顔してるし。知ってるか?一部の間では男好き疑惑出てんだぞ?」


「いや初耳だっちゅーの。」


「だからキモい。」


「さーせん。」


< 2 / 42 >

この作品をシェア

pagetop