麗雪神話~幻の水辺の告白~
「え…夜に虹なんて出るの?」

「出るよ。満月の時だけ、ね」

「でも、そう都合よく満月の光で虹なんてできないんじゃないの? それも、二か月って言ったら、チャンスはあと二回しかないし…」

ディセルのもっともな意見を受けて、ふふんと、シルフェが鼻を鳴らして何やら得意げに笑う。

「虹って、何と何でできると思う?」

「え…光と、雨…………あ」

ディセルが答えながら、何かに気付いたようだ。

セレイアも考えをめぐらせ、ディセルより一拍遅れて気が付いた。

「吟遊詩人…じゃ、なかった、レインスに頼めばいいのね? 確か彼、雨の神様だったものね?」

「ご名答」

レインスならば、満月の日に都合よく、適度な雨を降らせることができるはずだ。

「だけど、レインスって今どこにいるか知ってるの?
そんな都合よく、会えるかしら。二か月しかないのに…」

「会えるよ。彼は必ず、スノーティアスのそばに現れるんだから。それに、どこに彼がいるかなんて、だいたい気配をたどればわかるし。今、このエイフォーティク帝国にいるよ、間違いなく。まあ、ちょっとはこっちから探した方がいいけどね」

「じゃあ、レインス探しと、王様と接触してヴェインを討つ、作戦はこの二本立てで行けばいいんだな?」

ひとまず話はまとまった。
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