眠りの森のシンデレラ
時間になるまでしばらく手紙の渡し方を考えていると、ある決断に思い至った。
もともと手紙に書いてある大切なものとは特に考えていなかった。
とりあえず少しでも来てくれる可能性を上げるために書いたことだったが、この際本当に何か借りておいてもいいのではないか。
もちろん良心は痛んだが、俺はそうすることにした。
ここで眼鏡を選んだのは、ただの偶然だが。
眼鏡を借りたことで、手紙の現実味も増すし、もし明日またここに探しに来れば
今日忘れてしまった手紙も明日渡すことができる。
まぁ結局その考えはあながち外れてはいなかったようだが。