お隣さんと内緒の恋話

雅の事を しばらく忘れ、ベッドで話ながらイチャつく私と葵。

若さゆえの好奇心は止まらないまま話し込んでいると、葵の腕に抱き止められている私の背中から ひとつの緊張感が途切れた。


「 もう、やだ、葵ってば!笑え、る…」


ん? あれ、なんか… あれ?

背中が軽い?



「 でな… 椿? 」


あ… あっ!? ホック、外れた!?

見、見られる…

ダメだよ、Cじゃないからっ

私は事態を隠すため、ベッドにいきなり潜った。

お願い、ホックついてぇ!


もぞもぞとする毛布の中で、当たり前に不思議に思う葵が毛布を剥ぎ取る。



「 …きゃあっ!」

「 椿…っ!? なっ 」


そうだよ、見ないで…っ

あろうことか、バッチリ見えてしまっている葵に、隠しても遅かった。

潜った勢いで引っ掻ける側が捲れ うまくつけられなかったからだ。


「 椿… 」

「 見た!絶対 見た!」


拗ねてごまかしてなかったことにしたい。


「 あ~… 見えた、って言うか… 見た 」

「 バカ~ 見ちゃダメじゃん!服着る~ 」


体を反転させ葵に背を向けると 案の定 抱きしめられ捕まった。


うう… やだよ、恥ずかしいよっ


「 葵… ひゃっ!」

うなじに葵が唇を這わせたとたん、体がビクつき自分でも驚いてしまった。


「 あ、あお…いっ 」

「 隠すな、椿… 背中越しじゃ 見えないから 」


言われて胸を隠す腕の力が抜けていく。

ドキドキがピークに達し、嬉しい恥ずかしい、不器用な二人の恋の分岐点で私と葵は一線を二人で越える。


甘味は口に苦し?


ううん、苦いんじゃなくて 恋する甘みと恋する痛み。

未知の領域は恋の通り道。



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