お隣さんと内緒の恋話

呼んでも出てこない柚奈、加寿也は ミステリーを巻き戻して見ている。


「 椿、玉木はたぶん、聖奈さんの事聞きたいんじゃないか?」


そう思うけど… でも、きっとショック受けちゃう!


「 葵… 私っ 」

「 玉木が聞きたいんだから仕方ない、待ってやれば?」


言われて そうするしかないと思った。

好きな人の事を知りたいと思うのは自然な事。

目の前にある答えに知らぬ顔は出来ない。

私は諦めて葵の横に座ると、葵に頭を預けた。

雅の部屋では 突然入ってきた柚奈に対し、体を起こし座る雅。


「 先生… 」

「 なんだ 玉木… 夜這いには早いぞ? それも 病人相手に… 」

「 先生、どういう思考してんですか!夜這いなんかしないし、先生に興味ないですよ。
そんなことより 教えて下さい 」


冷静に話を聞こうとする柚奈に、雅はあくまでマイペース。


「 俺に興味ないのに教えろって?」

「 先生の事じゃなくて、さっき言ってた人の事です 」


柚奈の言いたいことにピンッときた雅は水を手にして飲み、余裕で柚奈を見る。


「 それは~ 聖奈、の事か?」

「 …そうです 」

「 なんで聞きたい?真剣な顔して… 」


聞かれた柚奈は 少し黙ってしまう。


「 玉木… 聖奈が気になるのは 俺か加寿也が好きだからか?」


そう言われて カァッと赤くなる柚奈に 雅はさらに言う。


「 聖奈を知ってどうする?」

「 どうって… 」

「 聖奈は… 加寿也がプロポーズ…」

「 やめて!」


声を大にして雅の言葉を遮り止めた柚奈に、雅は ふうっと 一息吐いた。
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