あなたのお悩み解決します~お助け倶楽部の事件簿~

1

いつものベンチで依頼者を待つお昼休み。


秋はどんどん深くなり、校庭の木々も色づきはじめている。


「つまらなそうな顔して」

ひとつ離れた隣のベンチにいる萌絵がからかってきた。

「別に、普通だし」

そう言ってはみるが、実際つまらないのもたしか。


なぜなら、それは……。


「涼先輩がいないとつまんないよねぇ」

ヒヒヒ、と意地悪く笑う萌絵。

「そっ……そんなことないもん!」

「ふふ。未希はわかりやすいからなぁ。せっかく同じ部になったのに、昼休みの依頼待ちは交代でやることになったんだもんね。そりゃショックだわ」

< 163 / 479 >

この作品をシェア

pagetop