【完】幼なじみのあいつ


「ごめん。鈴の事が好きだって気付くの遅くなっちまって…。鈴と一緒にいるのが当たり前になりすぎて、こんな簡単な事に気づかないなんてな」



そう言った翔ちゃんが今度は、お前の事馬鹿だと言ったけど俺の方が馬鹿だよな…。


なんて褒め言葉なんだか馬鹿にしてるのか、よく分からない言葉を投げつけられた。




納得いかないその言葉にムッとしたけど、翔ちゃんの胸に抱かれているうちにそんな事はどうでもよくなってしまう。



あぁ…、


私は今、大好きな翔ちゃんに抱きしめられているんだね…。



幸せに、瞳を閉じた。




「…鈴」


名前を呼ばれ、瞳をゆっくりと開けながら顔を上げると両手が伸びてきた。



何だろう?と思う間もなく、両手は私の頬に添えられる。



「翔ちゃん?」



何がしたいのか分からなくて名前を呼ぶと、何故かそれに答える事なく顔が徐々に近づいてくる事にようやく気付いた。


………時にはもう、翔ちゃんの唇がそっと私の唇に触れていた。



それはすぐに離れたけれど、温かく感じた翔ちゃんの唇の感触は今だ残ったまま…。




私、キス…、


されてしまった………よね?




「鈴、キスの時は目を閉じるもんだぜ?」



優しい笑顔で私を見つめていた翔ちゃんに、テレた私は恥ずかしくなって横を向いてしまった。





私、本当に翔ちゃんとキス…しちゃったの?





嬉しいような恥ずかしいような…、


そんな甘酸っぱい気持ちにおかしくなりそうだ。




「だって突然だったし私、ファーストキスだったんだからしょうがないじゃないっ!」


「…鈴、お前ファーストキスじゃねーぞ」


「………へっ?」


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