桜の冒険【その男、狂暴。】
式神
式神

わたしは椿と零を連れて式神四天王青龍のところに瞬間移動した。

どこかの城だった。

いきなり、魔法で攻撃された。

それをわたしは結界で弾く。

「なんだ?おまえ。」

弾かれて男は驚いていた。

「この男、殺していいですか?晴明様。」

「零に賛成。殺そう。」

「だめよ。これでもお前達と同じ式神なのだから。」

「晴明ぇ?この女が?」
と言いながら、青い髪の男は攻撃してくる。
「こんな女が晴明様なわけねぇ。」

「はぁ。ばかな男。」と椿は魔法を唱えた。
“蓮華乱舞(れんげらんぶ)”

花びらのような礫が男を襲う。

「この技は勾陣が使っていた技か。椿か?」

「今頃。気づいたの。渚。」

「俺が椿に敵うわけないだろ。十二神将の中で二番目に強いお前に。」

「零もいるわよ。その少年。零よ。」

「これが零。あの美人だった。零?」
ショックを受けた様子だった。

「で。渚、わたしにもう一度仕えてくれるの?」とわたしは聞く。

「わかったよ。仲間になる。だが今の俺は皇帝だ。お前は?」

「わたしは桜・桃野・クロイツ。クロイツ王国の皇女。」

「僕は零。暗黒皇国皇帝だよ。桜の執事もやってる。身分も隠して。」

「わたしは椿。桜様のメイドで幼なじみだよ。今はね。」

わたしは零の言葉と渚の言葉に驚いた。
まさか、二人とも皇帝だったなんて。

「ところで出て来いよ。隠れてないで。
なぁ、香澄。」
香澄が出てきた。
「だってぇ。晴明様がいるなんて思わなかったんだもん。綺麗にしてくれば良かったなー。」

「桜様。こんなんでも香澄は女帝ですから。」

「あの人見知りの香澄がねぇ。女帝ねぇ。大丈夫なのかしら。」と椿が呟く。

わたしも同感だ。

「どうして、香澄がここにいるの?」とわたしは質問する。

「わたしの国の火炎皇国と渚の国、神風皇国は同盟国ですから。会議に来たんですの。」

「そうだったんだ。香澄はわたしに仕えてくれるの?」

「はい。桜様。」

「何事ですか?」と香澄と渚の側近達が入ってくる。

「だれだ。お前らは。」と臨戦態勢に入る。

「やめなさい。豪(ごう)。凛。(りん)」

「武器をおろせ。斬(さん)。」

側近達が武器をおろす。

「前に話したことがあるだろう。前世の主である安倍晴明様。とその仲間の十二神将だ。」と安倍晴明様。と言った時にわたしを指をさす。
わたしは自己紹介する。
「前世は安倍晴明。現在は桜。クロイツ王国の皇女です。」とお辞儀をする。

「あなたが安倍晴明様でしたか。証拠に天候を雨にして頂けませんか?この国は雨が振りませんので。」

「証拠ねぇ。これでいいかしら。」
とわたしは印を結んだ。
すると快晴だった空がどしゃ降りになる。

「本当のようですね。安倍晴明は天候を操ると云われている。」

「俺は桜に仕えようと思う。いいか?」

「わたしも桜に仕える。いいかしら。」
とそれぞれの側近に聞く。

「いいですよ。」とそれぞれの側近が答える。

「ですがたまには帰って来て下さいよ。」と念押して。

「じゃあ、まずは式神全員を探そう。手分けして。」

「魔法学園に通えばいいんじゃないか?」

「高校から。」

「成る程。それいいかも。」

こうして、わたし達の十二神将を探す旅が始まった。

END



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