color【完結】
「アマネさんは、鬼塚さんという人を知っていますか。」
「は?」
今日は、屋上にアマネさんがいた。昨日はいなかったし、その前は土日で学校が休みだったから、4日ぶりのアマネさんだ。
「僕のことを嫌いな人たちが尊敬する人のようです。」
「…その人のこと、気になるの?」
「どんな人なんだろう、とは思います。でもきっと、冷たい人なんじゃないかと。」
「へえ…」
きっとアマネさんとは真逆の人だ。
男で、熊みたいに大きくて、腕っ節の強い、不良の親玉みたいな。
「…そんな人に殴られたら、さすがに痛いじゃ済まないでしょうね。」
きっと彼らよりも、容赦なく。