【完】幼なじみのあいつ ~亮平の恋愛編~


俺の頷きを確認したその女は、俺を抱きしめながら耳元で小さく笑う。




「私の名前は冴子。貴方は?」


「…亮平」


俺を惑わす香りには逆らえず、その問いに素直に答えた。




「そう…、亮平。大学を卒業したら迎えに行くから待っていなさい。いいわね?」



そして俺の返事も待たずに、…冴子は俺に口付けてきた。


俺を惑わす香りとその口付けに心を捉えられ、贖う事など出来なかった。




それから俺達は名前を名乗り合うのみで、お互いの事など一切話さずにその場で別れる。




「また会いましょう」




冴子の…、


その、一言を残して---



< 14 / 18 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop