はちみつ色の太陽
 



だけどいつだって、呆れるほど呑気で馬鹿な私は気が付かなかった。


―――“ 疫病神 ”。


たった今の今まで私の隣に立っていた天使が――――悪魔のような表情で、私を見ていたことに。


純粋な恋心は悪意を呼び起こし、時にとんでもない事件を巻き起こすことも。


そしてこれから、そんな彼女の手によって、私と日下部くんの距離が変わっていくことを……



「蜂谷、早く帰るぞ」

「あ……、う、うんっ!」



この時の私は、思ってもみなかったんだ。



 
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