先読み少女の歴史を越えた恋の行方 
《新選組屯所》

そこには、そう書かれていた。

面倒臭いことになった。

?「入って」

私はとある人の部屋に連れて来られたらしい。

襖をあけて、中に入ると黒髪の長髪を一つに結んだ男が座っていた。

?「なんだ、総司。つか、ソイツは誰だ」

男は私を捕まえている奴のことを総司とよんだ。

総「巡察の時に見かけたんですよー。
なんか、怪しい格好だったんで一応」

?「ふーん。で、お前、名前は?」

なんで、こう、一日に何度も名前を名乗らなければならないのか分けが分からない。

「はぁ。………咲見氷奈古」

?「氷奈古?女みたいな名前だな。ふっ」

なんだ、こいつ。鼻で笑いやがって。

みたいなじゃなくて㊛なんだよ。

?「おい、総司近藤さんとか呼んでこい」

総「え〜土方さん、行ってくださいよ」

土「断る。お前が行け」

総「ちぇー。」

そう言って総司。………沖田は部屋を出ていった。

「(ポツリ)土方……………土方歳三?副長の?」

小声で言ったつもりがどうやら彼には聞こえていたらしい。

土「……なんで、俺のこと知ってんだよ。」

落ち着いてるけど迫力のあるものの言い方。

たぶん、こいつはこの後私の首元に刀を当てる。

ピトっ。

ほら。予想通り。私の首元に冷たいものがあたった。

土「場合によっては殺す。」


「殺せるのか?もし、お前達がここで私の事を切ったとすれば、お前達は確実な証拠もないのに人を切る人斬り集団の汚名を着せられ京での活動が難しくなるだけだぞ」
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