淡く儚い恋物語 Ⅰ ~君の隣で~


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今日は12月25日



クリスマス……





外は賑わい

店という店は飾り付けでキラキラし、客で混雑している


街中のクリスマスツリーの周りには若い男女のカップルで溢れかえっている








「……澪」




後ろからよく知る安心する香りに包まれる



「風邪ひく前に着とけ」



「……ありがとう」



被せられた黒いパーカーに袖を通すもぶかぶか



でもそれが身体のほとんどを包み込んでくれて、さっきよりはずっと暖かかった






「……」


「……」


ここは訓練所


街中にある一般人が普通に出入りする場所で

柔道

空手

截拳道

剣道

射撃

ブラジリアン柔術まで訓練することの出来る大きな大きな建物



普通は講師やコーチがついているが、黒澪のメンバーは、別


講師なんて相手にならない




皆、交戦の為に真剣に特訓しに来てるから








「…悠雅はしないの?」



屋上で涼んでた私はさっきまで1人だった


他の人たちはまだまだ訓練の最中だから





でも悠雅は息ひとつ乱れずに屋上に入ってきたから参加してないんだと思う






…こんな特訓に悠雅が来ること自体珍しいって蒼が言ってたような








「もう全て終わらせた」





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