ツレない彼の愛し方【番外編追加】
02
早瀬デザイン事務所は着々と業績を伸ばし事もコンスタントに増えていたので新入社員を迎えた。
5年目で初めての新入社員。


彼の名は朽木省吾。
某有名大学を卒業したばかりの22歳。
彼が初出勤する前日、教育係を仰せつかった。
私は人に教えるとか、上に立つとかムリ!


「岡野じゃダメなんですか?」


納得がいかない私は早瀬に食ってかかる。


「男同士じゃ、いらない問題が起きる。ライバル心とか、くだらないプライドとか。」


「岡野はそんなタイプじゃないですよね?」


チラッと岡野を見ると、素知らぬ顔で仕事をしてる。
聞こえてないフリして!


「うるさい!やれって言ったらやるんだよ!社長命令!」


「わかりましたよ、わかりました。他の仕事の支障が出ても知りませんから」


「なんだ、お前、脅しか?支障が出たら、ただじゃおかないからな」


「はぁ…」


私は大袈裟にため息をつく。
席に戻ると隣に座っている岡野が笑ってる。


「社長の言った事は絶対なのに、なんでいつも逆らうかな~」


「そうだけど…だってなんで私なのよ!?岡野だっていいじゃん。仕事だってパンパンだし、余裕ないよ。と言うか…めんどくさい!」


岡野に言ったつもりなのに早瀬にも聞こえてた。


「まだ文句あるのか!?」


早瀬が眉間にシワを寄せて睨んでいた。
あ、面倒。仕方なく私は諦めて新人の教育係になった。


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