ツレない彼の愛し方【番外編追加】

1ヶ月も経たないうちに朽木には、簡単な仕事は任せられるようになった。
ゴールデンウィークも休日返上かと思っていた私の仕事も一緒に片付けてくれて、何とか休みに入れそうだ。と言っても休みの予定などないけど。

明日から休みに入ると言う午後、永野さんが外回りから来た途端、まるで今思いついたように口を開いた。


「そうだ!早瀬。明日から連休だし、朽木の歓迎会もまだだし、今夜、みんなで呑みに行かないか?」


きっと私達の仕事全体を把握して、今日なら大丈夫と思って計画していたのだろう。岡野がすぐに反応する。


「いいっすねぇ。朽木、お前、予定は?」

率先して幹事に回る。
普段はのんびりしてるくせに、飲み会になると断然張り切るのが岡野だ。


「特には…」


「そっ!永野さん、じゃ、オレ、店予約しますよ。近藤も大丈夫だろ?」


「はい!大丈夫で~す。あ、でも~私、明日から彼氏と旅行なんで、一次会で帰りますけどぉ~。」


美咲ちゃんのゴールデンウィークは彼氏とラブラブ旅行かぁ。


「永野さん、由加里さんもいらっしゃいます?」


由加里さんは永野の奥さんで、我が社の経理も担当してくれている。
お子さんがまだ小さいのでほとんどが在宅で仕事。
必要になると出社する業務形態だ。
将来、働く女性が在宅勤務も可能だということを実践している。

この会社に移る時、由加里サンを頼りにしていたので今でもお姉さんのように慕ってる。

永野と由加里さんは大学からの付き合いで、25歳でひとり目を妊娠して結婚した。

私と出会った時は由加里サンはすでにママだったな。
永野が由加里さんに連絡を取ると、参加すると言う答えが返って来た。

久しぶりにゆっくり由加里サンに逢えるんだ!

じゃ、7人で予約しちゃいますね。
岡野がスマホで店を検索してる。


< 12 / 139 >

この作品をシェア

pagetop