ツレない彼の愛し方【番外編追加】
数日後、週刊誌の記事。




「早瀬隆之介 × 吉澤綾乃 電撃結婚」



芸能人の記事の方が遥かに大きく取り上げられているのに、私にとっては大打撃を与える文字だった。

早瀬と過ごした5年間が、砂の城のように崩れ始めて来ている。足元を崩されてしまった城は、あっという間にすべてを波にさらわれる。


もともと夢のような人だった。憧れの遠い存在だった。
身体だけの関係だって幸せだった。
早瀬といた日々は間違ってないと思えた。

もっと泣けばよかったのかな…もっと笑えばよかったの?
いつものようにバカだなって...もう言ってはくれないの?


愛せなくてもいいから、早瀬を遠くから見守っていこう。
この子と一緒に。
強がりと言われていも良い。ただ、ただ、繋がっていたいだけ。
早瀬が…まだ好きだから。今だって…あなたに逢いたい。

「俺を信じろ」って言ったじゃない。
「これからのことを話そう」って言ってたじゃない。嘘つき…


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