サイレント王子と秘密の恋。(修正済み)
ど、どうしよう。
オロオロしていると美守がこっそりと
「名前と趣味だけ言って
おけばいいんじゃない?」
そう言って教えてくれた。
名前と趣味か…。
上手く言えるだろうか?
不安になりながらも
周りの自己紹介を聞いてみた。
すると金本君の出番になった。
「東城中学から来ました。金本拓馬です!
特技は、スポーツ全般。
拓馬と呼んでくれ。よろしく~」
明るい口調で自己紹介していた。
意外と明るい人なのね。
特技は、スポーツ全般とか凄い。
背が高いから、バスケやバレーとか似合いそう。
順番に続きいよいよ美守の番になった。
彼女は、どんな事を言うのだろうか?
「初めまして。北宮中学から来た
松井美守で~す。
趣味は、可愛いグッズ集めと料理と編み物。
よろしくお願いしますね」
そう言いながらウィンクをしてみせた。
すると周りの男子生徒達が騒ぎ出した。
凄い人気。さすが、美少女なだけはある。
だけど、美守の後だと余計に自己紹介しにくい。
自分の地味さが目立つし…。
私の出番になってしまった。
緊張して心臓がドキドキと高鳴りした。
何とか上手く言わなくちゃあ…。
「わ、私は、み…三浦…しゃ…しゃくらです!!」
あっ!!
気づいた時は、すでに遅かった。
クラス中から大笑いされる。
は、恥ずかしい…。
こんなつもり無かったのに…。
身体中から火が出るほど熱くなった。
しゅんと落ち込みながら席に座った。
まだ笑い声が聞こえてくる。
完全に馬鹿にされたと思った。
美守を見ると笑いながら
「掴みバッチリじゃん。
ナイスオチ」と言われた。
どうやらわざとボケたと
勘違いをしたみたいだ。