海恋

~咲良side~



「…と、まぁ、こんな感じだが」



全てを話し終えた七海は、フウッと小さく溜め息を付いた。



七海の過去に、そんな事が...



あたしは、暫く言葉が出なかった。



でもやはり、七海の過去には、海が大きく関わっていたんだ。



それに…



「七海の運命の人って……… あたしなの?」



それが一番、聞きたかった。



「そうみたいさ。
やさから、咲良」



「ん?」



七海は、漆黒の2つの瞳で、あたしを真っ直ぐと捉えながら、こう言った。



「ずっと、俺ぬ隣にいてくれるかね」



「…う、ん………」



七海は、ずっと、寂しかったんだね。



いつも明るくしてるつもりでも、やっぱり心の中は、ポッカリ穴が開いたままで。

















< 300 / 390 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop