ヒマワリの笑顔
別れの時
年が明けた。

新年は家族で過ごした。

今までは、麻衣の家族、まきおばさんがいた。

今年は、麻衣の家は海外へ、まきおばさんは仕事だった。

私たちは大晦日から、福笑い・カルタ・ジェンガなど、さまざまな遊びをした。

夜遅くまで笑い声が響き、本当に楽しかった。

元旦早朝、本当なら家族で初詣に行っただろう。

でも、父の姿がなかった。

母に聞くと

「会社のお付き合いがあるの」

といった。

父は次の日も帰ってこなかった。

最初は、会社のお付き合いと思っていたが、次の日も帰ってこないなんて初めてだと思い心がザワザワしていた。

2日、まきおばさんが来た。

新年の挨拶とお年玉をもらった。

兄と私、妹はまきおばさんと初詣に出かけた。

母は、お父さん帰ってくるかもしれないから。と留守番した。

帰ってこねぇから…。

兄がつぶやいた。

3日、昼過ぎに父が帰ってきた。

遅くなったね、とお年玉をくれた。

なんとなく父じゃない匂いがした。

兄は出かけていた。

妹は父の膝の中にいて、父とテレビを見ている。

母は町内会の挨拶から帰ると父の隣に座った。

何も変わらない。

だから、勘違いだと言い聞かせた。

習字の宿題を父が一緒にしてくれた。

そんな風に一日が過ぎた。

そして…冬休みが終わった。
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