月夜に悪魔



「ん!」


強引なキスはとても優しかった


私は疑問に思った



キスは友達でもするのかな?


「七瀬君…?」



唇を解放された私は彼の名を呼んだ



「なんでそんなに冷静なわけ?」


「え?なんで慌てなくちゃいけないの?」




「………無理矢理キスしたんだぞ?」


「友達だからでしょ?」


「…………ったく」


七瀬君は少し苦い顔をして、言葉を私に掃き捨てた



「温室育ちのお嬢様はキスをする意味ってのはわからないわけか…」


「……バカにしてる?」

「……別に」



今の七瀬君なんだか意味がわからないよ、いったい何が言いたいの?



「まだわからない?」


「…?」



次の瞬間言葉を失った


「おまえが好きだって言ってんだよ!」


好き……



好きってあの恋愛感情の…?



七瀬君が?


ふいに前に気配がした



そこにはすごい形相のバランが立っていた






< 67 / 201 >

この作品をシェア

pagetop