森からの招待 ~ようこそ 不思議な世界へ~
『さっすがぁ!ルイス!やる~』
クラスの男子たちの声でワイワイと賑やかになった。

芽衣は、ルイスがSランクていうことに動を隠せなかった。

『静かに!では、あとはルイスが説明してくれるのでちゃんと訊きなさい。』
『はは。杏子先生、大げさですよ。』

ルイスは、教壇に上がり、杏子の横に並んだ。

『では、flower dayがちょうど今日です。ちなみに、芽衣“さん”に説明できる人はまさか…いるよね?』

ビクッ…

『貴方たちっ!それくらい分からないワケ!?』
「はい。」 
『え”っ!?って…芽衣ちゃん?』
「flower dayとはこの学園の創立者・フラワーさんの誕生日と訊いています。」

シン……

教室が静まり返り、

『芽衣ちゃん!スゴいわっ。登校初日に!』

杏子の声で、またもやワーワーと賑やかになった。

『good!芽衣“さん”よく出来ました。flower dayとは、“メリー・フラワー”の誕生日です。なお、一日限りはfree、他の月は、1ヶ月に3回ほど行います。』

『まったく~!芽衣ちゃんが分かって、みんなが分からないってどういうコトよっ?』

『杏子先生、落ち着いてください。では、今日の課題は、、、』

《安らぎを与える魔法》

『いいわね?自然界には安らぎがあってこそ創れる世界。レシピを貼っておきます。』
『分からなかったら、呼んでください。』

『『では、始めっ。』』

2人のかけ声で、特別授業・魔法学術が始まった。




カチャカチャと器具の音が一斉になりだした。

杏子とルイスは、別行動で教室を見て回る。

レシピを見ると、童話の世界に入ったような[涙、爪、毛、、、]など特に命までは奪わないようにするように控えめなレシピだ。

「うーん、全然分からない……。理科嫌いだからなぁ~。」

芽衣がぶつぶつ呟いてる間にも、周りからは、「よしっ!」「できたぁっ!」「楽勝楽勝♪」などと余裕の声が芽衣の耳に入った。

『……と、芽衣、進んでないじゃないか?』

我にかえり、声の主を見ると…

「ル、ルイス。」
『な、何て顔してるの?分からない?』
「わ、分かるって~!大丈夫~!」

芽衣は誤魔化すように微笑した。

『へぇ…。じゃ、教えてあげなくても大丈夫かぁ~!』

ルイスは、芽衣をちゃかすようにニタニタと笑みを浮かべる。

「っく……。ふんッ!」
『あっ、素直じゃないねー。』
「ほっといてくださいっ!……それより、杏子先生がさっきから呼んでますけど?」

芽衣の視線の先には、杏子がチョイチョイと手招きしている。

『分かってるよ。じゃ、頑張ってね。』

ヒラヒラと片手を振り、ルイスは去っていった。

「ほんと、バカみたい……。私…。」

芽衣は小さく呟き、薬の完成を目指した。
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