線香花火

2

「あの、すみません……」

忙しい一日が終わった。帰り道、あの後ろ姿をみつけて思わず声をかけてしまった。

女の子は振り向いて立ち止まる。大きな目に長いまつげ、ちっちゃな鼻にぷるぷる唇。

「突然、声をかけてすみません。アイスショーのバイトをしている人、ですよね?」

後ろ姿しか見たことがなかったけれど、こんなにかわいい子やったなんて! おまけに小柄なわりには胸がおっきくないか!?

まさに、自分のモロ好み! ヤバい。

声をかけたものの、なんだか恥ずかしくなってきた。なにを話せばいいんか……。胸元に目がいくし……あぁ……。

「あ、はい。もしかして、バイトの方ですか?」

そんな心配をよそに、彼女のほうから積極的に話をしてくれた。

彼女も電車で来ていて、残念ながら反対方面の電車やったけれど、駅までの道、会話がはずんだ。

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