線香花火

4

今日はチャンスをみつけて……と思いつつ、仕事の忙しさと人波にのまれて……いつの間にやら終わってしまった。

そんな中、アイツは……

『バイトのかわいい女の子全員とメアド交換したから、コンパ楽しみにしとけよ』

……やって!

自分は……またとぼとぼと駅に向かって歩いていた。

「夏人くん!」

背筋がぴんとした。

「お疲れ様! バイト、終わったね」

夏子ちゃんだ。バイト中はぜんぜん見かけないのに、不思議なことに帰り道でいつも声をかけてくれる。

「……どうしたん!?」

「あ……いやっ、バイト終わったら寂しいなぁ~なんて………」

あ!! 思わず本音が……。

「そうやね」

夏子ちゃんも寂しげにうつむいた。

この流れでメアド交換……なんて思っていたら……。

「夏人くん、時間ある? 少し……お話ししたいな」

「よ……よろこんで」

居酒屋か!? と、自分にツッコミつつ、彼女について行った。

この近辺はバイトで初めて来たから、全くわからない。でも夏子ちゃんは詳しいのか、どんどん先に進んでしまう。

そのうち、飲食店が建ち並ぶ通りが見えてきた。どこかでお茶でもするんかな?



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