モンスター・バスターズ
馬から降りて、辺りを見渡す。
「ナギ…」
背の高い草が生い茂っているが、人が立っているくらいは認識できるはず。
「なぜ、いない…」
所長が唖然とした様子でつぶやいた。
その通りだ__________
そこには数分前までには居たはずのナギも魔物も、ナギの愛馬も居なかった。
「探せ!なにか手掛かりになるものを!
なんでもいい!髪の毛一本見逃すな!」
所長は応援部隊に向かって叫んだ。
顔には不安と焦りの色を浮かべている。
それもそうだろう。
モンバスNo.1の戦士が魔力の高い魔物と一人で戦い、応援に来たら消えていたのだから。
ナギは所長に取って娘のようなもの。
とても心配なのだろう。
私の…せい、かな…。
私は唇をぎゅっと噛み締めた。
私があそこで一緒に戦うことを選んでいたら…。
今ごろナギは…。
「サキ、何してるんだい。
早くお前も探しなさい」
所長の声にハッと顔を上げる。
「お前のせいじゃない。これはお前の責任じゃないさ。
気にすることない。ナギサならきっと大丈夫だから」
そう言って所長は笑った。