童唄―warabeuta―かごめかごめ編
次の日の学校は、しんみりしていた。



 私を除いて。



 『やっぱり、私達がいじめてたから・・・・』



 とか、



 『あの時、あんなこと言わなけりゃ・・・・』



 とか、先生が来るまでその話は続いた。



 先生も、



 『皆さんご存知の通り、12月5日、



  トラックにひかれて、



  お亡くなりになられました。』



  とか、 



 『道路に飛び出していったそうです。』



 など、しーんと静まり返った部屋の中、



 ただ、淡々と話していた。



 その、四年後。



 私も、二十歳を過ぎ、大人になっていた。



 あの事件は、頭の片隅にかすかに残っていた。



 私の仕事は、遊女。



 言わば、キャバ嬢だ。



 夜。いつものように、外を出歩いていた。



 その時。



 ―ドンッ



 何かにぶつかった。



 「あ、すみません・・・・」



 謝り、顔を上げると、そこに居たのは、



 あの時と何も変わらない、遥香。



 「なっ・・・なんで?」



 思わず声が出た。



 四年前、自分が殺した相手が目の前に居るのだ。



 しかも、見た目も、何もかも変わらないままで。



 『フフッ。びっくりした?』



 彼女は、にやりと笑い、闇に隠れていった。



 「なんでよ?何であの子が生きてるの?」



 混乱した。



 そして、その数日後、



 あの子をいじめていた、



 一人が変死体で見つかった。




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