愛に結ばれた蝶
僕は出来る限り笑顔を作って
蝶子さんに言った
「ええ
アナタが望むのならね
どこで死にたいかしら?」
「……考えていませんでした
最後の晩餐に夢中で」
「何よそれ…」
僕の最期の場所か…
本当に考えていなかった
「ないの?
思い出の場所とか嫌な場所」
「そうですねぇ…
思いつきませんねぇ……」
ごめん蝶子さん
僕嘘ついた
いっぱいあるんだ
思い出の場所も
嫌な場所も
だけどそこへは行きたくない
最期の場所に選びたくないんだ