キャラメルに恋して


「は、隼人~」


隼人の名前を呼ぶが、周りの騒ぎで私の声なんか届くわけなく………って?



ひ・な


教壇の所に立っている隼人の口が、小さく動いたのを感じた。


しかも、隼人の視線はこちらを向いている。

もしかして隼人……気付いてくれた?


隼人の視線を感じた胸は、ドクドクと高鳴り顔は興奮で赤くなっていく。


「ちょっと、雛ぁぁぁぁぁ!隼人くんってあの人ぉぉぉ?」


私と隼人のアイコンタクトにいち早く気付いた麻耶は、興奮覚めやまぬ気持ちで大きな声で言った。



「ちょっと…麻耶、声、声…」


そういった時にはもう遅くて、


―――――バッ


教室中の女子のギラギラとした視線が、こちたに向けられていた。



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