キャラメルに恋して
「しっかし、ホント大きくなったねぇ。
昔はあんなに小さくて、いっつもイジメられてたのにねぇ」
真菜ちゃんとアスちゃんは、昔を懐かしむようにしてしみじみとした。
そんな中、私一人だけはなんだか訳がわからない。
イジメられてた?
真菜ちゃんは、私によくしてくれていたし……。
いじめてたのって誰の事?
「あのー。イジメられてたって……真菜ちゃんに……じゃないよね?」
「………」
私がそう言って聞いたら、アスちゃんも真菜ちゃんも「………」となって口を開けて驚いた顔になった。
そ、そんなに驚くようなことなの?
「やだ雛ちゃん、私の弟よ。覚えてないの?」
その場の空気を取り持つように言う真菜ちゃん。
そうは言われたのも、まったく覚えがないから大変だ。
真菜ちゃんに弟がいたなんて事も、初めて知ったし…………。
私ってば、忘れちゃうなんて凄く失礼じゃん。
「ごめんなさい。覚えてなくって……」
本当に申し訳ない…。私のバカ~!思い出せぇー…。
「まぁ、雛ちゃん小さかったしね。仕方ないよ」