キャラメルに恋して


走り続ける事、数分。


もう体力の限界を感じてきた。隼人もきつい様で、後ろからは荒い息遣いがする。


時折、隼人の様子を伺いながらも出口に向かって急ぐ…。



そんな中、目の前にうっすらと希望の光が見えてきた。


「隼人っ、もうちょっとだよ」


いつもより少し小さくなった隼人を励ましながら、出口までの道のりを急いだ。





「おかえりなさいませ」


暗闇に馴れていた目には眩し過ぎる光と共に現れたのは、最初の受付の所にいた野口さん。


なんだか、野口さんが天使に見えます。


しかも、おかえりなさいませってメイドカフェみたいじゃん。


なんてツッコミたかったけど、そんな余裕なく……


「はぁ はぁ はぁ はぁ…………」



苦しくて苦しくて喋れない程だった。





< 80 / 358 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop