キャラメルに恋して



ベットから身を起こすと、寝てたせいでシワシワになったワンピースが目に入った。



そのシワを両手で強く伸ばすけど、深く刻まれたシワは消える事を知らない。



そんな時に、つい半日前にこの服をウキウキしながら選んでいる自分の姿が、頭の中に浮かんだ。



隼人は、私がどんな気持ちでこの服を選んだのか知ってる?


このワンピース、一番のお気に入りなんだよ?


隼人に見てもらいたくて着たんだよ?



再び溢れ出ようとする涙を、鼻をすすりながら奥に押し込めようとする。

ふと、壁に掛かったプーさんのカレンダーが目に入った。



部屋の角にあるカレンダー。


今日の日付には、赤い大きな丸。


その横には、「隼人とデート☆」というなんとも浮かれきった私の字。



気付かなかった。



私の中で、隼人の存在がこんなにも大きくなっているなんて。





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