月の花弁
月夜の花弁(プロローグ1)

…今日も白いリリーは、ユリの花は、暗い闇に映えていた。

「前と変わらない。きっとだいじょうぶ」

そのころは私は毎日、夜になると、赤褐色のベンチに座って、暗闇をバックに咲き誇る白いユリの花を見ていた。

昼間は他の花と馴染んでいるのに、夜は他の花が馴染まないような真暗闇の方がが似合う花だと思ってた。

「また戻ってくるなんて…」

そんなこと、この前までは考えたこともなかったーー。




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