キスより甘くささやいて
颯太は私を見つめた後、
ゆっくりと唇を合わせる。
私は目を閉じ颯太のくちづけに身を任せる。
颯太は私に激しくくちずけしながら、私のシートを倒し、
私の服のボタンに手をかける。
おっと、どこまで、ここでスルつもりなんだろう。
と思いながら、ゆっくり、颯太の頭を抱くと、
颯太はブラジャーのホックを外し、胸に直に触ってくる。
颯太の唇が胸の谷間を這って、胸の先端にたどり着く、
私が溜息をつくと、深く口に含んだ。
私は身体の奥がザワザワし始めたけれども、
ちょっと待て、と頭の隅で思う。
これ以上、ここでするわけにはいかないでしょう。
ここって、外だし、すぐ、後ろの道路には時折車も通る。
子どもじゃないんですから、
…私は
「颯太」と小さな声で呼ぶ。
颯太は私の太ももをゆっくり撫で始めたところだ。
私の声を無視して、さらに手を奥に進めようとしている。
私は、仕方なく颯太の腫れている右手をギュッとつかむ。颯太は
「痛ってえ」と私を見る。
私が首を横に振ると、
「せっかくイイところだったのに」
と身体を離し、眉間にシワを寄せる。
私は笑って、服を整え、
「手がちゃんと治ってからね」と、颯太の頬にキスをする。
颯太は不機嫌に
「あの、オトコ、どこまで俺の邪魔をするつもりなんだ」と言って、
「次は絶対邪魔させないぞ」
と私に噛み付くようにキスして、車のエンジンをかけた。

できれば、次はベットでお願いしたい。
…私はそっと心の中で言っておいた。
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