キスより甘くささやいて
第2章 再会記念日

gâteau(ガトー)

朝だ。
それも早朝。実家に戻って3日。
まだ、5時前だ。
無職になったので、
ゆっくり眠ってやろうと目覚ましもかけずに布団に入っているのに。
習慣は恐ろしい。
仕事していた時、
日勤の日は毎朝5時に起きて、
夕飯の準備と洗濯、掃除(フローリングの床をクイックル○○で拭く程度)をしてから出勤した。
それは全て、別れた男のためだった。
勤務が不規則な彼がいつやって来てもいいように、
家を整え、食事も用意していたのだ。
彼は勝手にやって来て、勝手に帰って行った。
まあ、私がいればもちろんエッチもした。
今、思えば都合のいい、女。




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