能あるイケメンは羽目を外す
陽斗の悪魔!そんなの出来るわけない。

私は心の中で悪態をつく。

「キスが出来ないなら午後からの仕事もサボっちゃおうかなあ」

私の目を見ながらニヤリとする陽斗に我慢できず、ここが会社と言う事も忘れ私は思わず叫んだ。

「この悪魔!勝手に条件増やさないで下さい!」

私が怒っているというのに、陽斗は悪びれる様子もなく自分の唇を指差す。

「ほら、仕事して欲しいんでしょう?だったら、ここにキスだよ」

「もう、ちゃんと仕事して下さい!」

陽斗に翻弄されていた私は、さっきの秘書室での出来事をすっかり忘れていた。

社長の様子がおかしかったと陽斗にここで伝えていたら……。

私は後でその事を後悔することになる。
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