能あるイケメンは羽目を外す
立石さんというのはダイビングショップの人で、今日の案内人。

東上島の海を知り尽くしている真っ黒に日焼けした海の男だ。

年は陽斗より十歳くらい上らしいけど、二人は意気投合したみたいで、明日西龍島まで立石さんが乗せてくれることになった。

今乗ってるボートは冷房のきいた部屋やトイレ、簡易シャワーがあって一日海で過ごすにはとても快適。

船酔いが心配だった私だけど、涼しい部屋にいたせいで船酔いにはならなかった。

海の上で食べるランチは美味しくて、久々に心からご飯が美味しいと思えた。

今までは食欲もなくて義務感で食べてたんだけど……。

現実世界から離れた生活をしているからだろうか。

それにしても……陽斗は何を着ても格好良すぎ。

ウェットスーツ姿の彼は見てると眩しいくらいだ。

それに比べて私の格好ときたら……。

髪はお下げで、前髪はピンでがっちり留めてて……いつの時代の真面目学生ですかって感じ。
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