能あるイケメンは羽目を外す
楓は家族を欲している。切望していると言っていいだろう。

家族を失って自分が一人ぼっちになって……自分の存在に疑問を感じている。

もっと自分を必要とされたいんだと思う。

結婚しようと思ったのも家族が欲しかったからじゃないだろうか?

片桐の事を好きで結婚を決めた訳ではないような気がする。

あいつに未練があるようには感じない。

あれば昨日みたいに俺にキスはしないだろう。

沖縄に来て少しずつ俺の事を受け入れてくれているように感じるが、まだ足りない。

「陽斗が好き」と昨日楓は告白したが、俺に遠慮してるところもあるし……。

もっと心を開いてくれれば、もっと俺を信じてくれれば……悪夢ももう見なくなるかもしれない。

じっと楓の寝顔を見つめていると、突然サイドテーブルの上に置いておいた俺のスマホがブルブルと震えた。
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