能あるイケメンは羽目を外す
日本に戻ってからも、陽斗は時間があればデザイン画を書いているらしい。

確かに……これだけの才能、やめてしまうのは惜しい。

二時間ほど夢中になってデザイン画を見ていると、睡魔が襲ってきて……気づけば朝。

リビングのソファーに私も陽斗も寝ていて……。

どうしてこうなったかはわからないけど、私は陽斗にギュッと抱き締められながら眠っていた。

「楓、顔赤いけど熱あるんじゃあ?」

麗香が私の額に手を当てる。

「……ないない。ちょっと思い出しちゃっただけ」

私はブンブンと頭を振る。

「ホント。熱はないみたい。思い出したって何かしら?」

「今朝ちょっと失敗しただけ。恥ずかしいから聞かないで」

「ふ~ん、失敗ね。でも安心した。今日も落ち込んでるかと思ったんだけど、ちょっと元気になったみたいね」

……悪夢も見なかったのは、陽斗がいてくれたせいだろうか。
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