Do you love me?[短篇]
Do you love me?




「ねえ、どっか行こうよ~」



愛したい
愛されたい


「…」



そう思うのは
やっぱり間違ってるのかな?










テレビからは笑い声。
でも私達の間に会話なんか無くて。



奴はタバコを片手にペラペラと雑誌を捲る。




「ねえ、仁ってば」

「…うっせ。黙れ」



天気の良い日曜日。
どこかに行きたいと思うのは当たり前。


それなのに…
仁ときたら部屋から一歩も出ようとしない。




「…はあ」

「つうか、何でお前はここにいんだよ」



ギロリと鋭い視線が私に向く。

…珍しい。
仁がこうも言葉を発するなんて。





「…いちゃ悪い?」

「邪魔。」



迷いも無く発せられるその言葉に何度傷付いただろう。






…幼馴染


そんな関係に、私は甘えてるだけなのかもしれない。




「だって、仁暇そうなんだもん」

「…殴んぞ」




小さい頃からそうだった。


喧嘩っ早くて
それでもって冷たい。

中学の時は血だらけになって帰ってきたことが何度もあった。



「殴らないくせに。」

「…っち」




みんな仁を怖がってた。
先生すら一目を置いていたくらいに。


でもね。
仁は優しいんだよ?


ただ、分かりづらいだけ。




バサっ
仁の手元から雑誌がすり抜ける。




「…ちょ!」









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