Rhapsody in Love 〜幸せの在処〜
 


「狩野くんは、何かスポーツやってたでしょ?」

「うん、高校ではラグビーを。」

「やっぱり!!そうだと思った!」

「へえ、ラグビーかぁ。大学のラグビー部にも入るの?」


 大学構内を歩きながら、二人からいろいろと質問されて、楽しく会話が弾み始めた頃、一般教養棟の15号室に着いた。
 3人は講義室の後方の席に、並んで座る。


 遼太郎は、気のいい友達が出来た…と、ホッと息を吐いて受講の準備を始めた。
 向こう側に座る樫原が、真ん中に座る佐山へとヒソヒソと話しかけている。その会話が、遼太郎の耳にも伝わってきた。


「ね、晋ちゃん。狩野くんって、…カッコいいね♡」


「…………!」


 樫原のその言葉を聞いた瞬間、遼太郎の鳩尾にヒュッと冷たいものが落ちていった。








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