「素直じゃなくて、悪いかよ。」


向かい合ってみるものの無言。



何分無言だったか分からない。



突然、雨が、



「……なぁ。」



切なそうに聞いてきた。



そんな、雨の声を聞くのは、初めてだったからビックリする。



「ー昨日、「はい、終わり。前に戻して」



先生の声が雨の声に被さる。



「なんでもねぇ」



そう言って、何もなかったかのように前を向く雨。



……なんだったのかな?



今の私には、聞く勇気もなくその話は、そこで終わった。

< 35 / 248 >

この作品をシェア

pagetop