溺愛ドクターは恋情を止められない

「ご無沙汰しています。今日は小柴先生の外来ですか?」

「はい。もうすっかり良くなって、お友達と走り回って遊べるようになりました」

「それはよかった」


高原先生が、こんなににこやかに患者と接しているのは珍しい。
特に救急では。


「先生、今度一緒に遊んでよ」

「おぉ、約束だったもんな」


ふたりの微笑ましい光景に目を奪われ、しばし立ち尽くしてしまう。


「ちょっと清春。先生はお忙しいの!」


慌ててお母さんが止めるけれど……。


「あっ、ねぇお姉さんも遊ぼうよ。いっぱいの方が楽しいもん」

「私?」


突然駆け寄ってこられ、慌ててしまった。


「清春ったら!」


お母さんが申し訳なさそうに頭を下げてくれるけれど、なんだか楽しそう。

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