溺愛ドクターは恋情を止められない

私はあの子の――さやかちゃんのカルテを手にしながら、溢れる涙を止めることができなくなった。
どうしよう、止まらない。

慌てて手で頬を拭ったけれど、とても追いつかない。


するとその時、不意に腕をつかまれて、引っ張られた。
ハッと顔を上げると、私にIDを差し出した高原先生だった。


先生は黙ったまま、さらに奥にある先生達の仮眠室に向かった。

少し乱暴に開けられたドアが閉まると、突然強く抱きしめられる。


「我慢しなくていい。泣けばいい」


まさに“泣き崩れる”、という言葉が適切だと思う。

初めて出会った高原先生にしがみつき、声を噛み殺しながら涙を流し続ける。
その間、先生はただ黙って、強く強く抱きしめてくれていた。
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