僕の彼女はお化けです (序章)
あー暑い、雪菜のせいで余計に暑い…もう暑いっていうか熱い…

「なあ、涼しくなる話ねえのかよ」
ダメ元でも聞いてみる。

「まあないこともないけどねー?」

「は!話せよ!」

「んー…」
ちらっちらっ
完全に目は自販機の方を…

「その交渉は不平等だ」

「鍋焼きうどん」

「ああああああああああああ!!!!」

チャリンチャリン、ボトンッ
取り出し口から出てきた白い白濁…(意味深)つまりカルピ⚪︎を取り、雪菜に渡す
はたしてこの頬を伝うしょっぱい雫は汗なのか涙なのか

「わーい!遼やっさしー!!」
この、カルピ⚪︎女が。
まあそのままだけど

「で、なんなんだよその涼しくなる話ってのは。早く話せよ」

雪菜はカルピスを一口飲み、蓋を閉めた。
「うーん、まあ学校でよく噂になってるんだよねー。いわゆる怪談ってやつ?」

「怪談?この島のか?」

「そう、まあ私も怖いから詳しく聞こうとは思わないんだけど、港町から神社の方へ続く道あるでしょ?」

確かに500メートルくらい続く、周りに畑や田んぼしかないなだらかな坂道がある。あの道は確かビーチと神社に繋がってたはずだ。

「あそこちょっと行くと途中、道の脇に不自然にでっかい木が一本だけ立ってるの分かる?」

「ああ、確かに考えてみれば不自然だなあの木。場所といい、大きさといい」
子供の頃からずっと見てきたが、そこまで気にとめることはしなかった。

「そう、あそこってね、でるんだって。お、ば、け」
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