(気まぐれっぽい)Queen
葵が壁を叩き、叩いたところから パラパラと破片が落ちる。

まるで、葵の今までの 沢山詰まった萌花への想いが消えていってしまうように…。

「ふざけんじゃねぇよ…。何で急にっ…!!だったら最初から守れよ!!!!」
悲痛な葵の叫び声。それには、後悔、悲しみ、切なさなど、様々な気持ちが入っている。

…まあ、葵の気持ちも分かる。

葵は、萌花のアノ事件が起こる前から、必死に守ろうと努力していた。ましてや、萌花は葵の片想いの相手。そんな萌花を見ず知らずの人なんかに渡したくないのは当然のことだろう。

「葵…、諦めな。あんたの気持ちは よく分かる。けどな?多分、萌花が姫になったのは自分の意志だ。もう、萌花も一歩ずつ進もうとしてんだよ」

「ミサっ…。けどっ!!「何度も言わせんな、葵」


「葵くん…、ミサちゃん…。ありがとう。…でね?話変わるんだけどっ!その…KINGの人達が、ミサちゃん達に、一緒に屋上で お昼食べないか?…って」

「今から?」

「うん。ダメ…かな?」

ズッキューン

あぁ…、この子、計算して上目遣い+涙目やってるのかな?これ、男の子にやったら襲われるわ。絶対。

「ミサちゃん…?」
「あ、うん。別にいいよ。じゃあ早速いきましょうか」

「はっ!?なんで アイツらのトコにつ…」
「バカだね…、葵は。…キングの人達は…良い人か…どうか…、見極める絶好のチャンスだよ」


「あっ、そうか。へへっ、この俺様が 見極めてやるんだから、アイツら…覚悟しろよ!!!!」


「フフッ やっと葵くん。いつも通りになったね」
…そうだね 桜。
あたし達は、雲ひとつない空を見れる屋上に向かった。


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