(気まぐれっぽい)Queen
ようやく、諦めたのか。悠貴はハアと溜息をつき。

「本当は嘘。会いたくなったからじゃない。すぐに会わないといけなくなったからだよ」


すぐに会わないといけなくなった…?


「どういう意味だよ、それ」

葵が険しい顔をして、問う。あたしにも意味が分からない。そもそも、そうなる理由が浮かばないのだ…。

「それがさ、今日の朝起きて、新聞取りに行ったらさ、あったんだよね…これが」

そう言って、悠貴はズボンのポケットをあさり、あたし達にソレを見せる。

なに…これ…。

「実は、郵便受けの中に“黒百合”が沢山あってその真ん中にあったんだ。恐ろしいよな、本当」



《Queen狩り start》



「女王狩りスタート…?どういうことだよ」

この際だから、はっきり言おう。葵はバカだと思う。

「バカかよ!こんな意味も分かんねえのかよ、お前。…これはなぁ、多分女王オタクの奴がお前の女王グッズを奪いにくるって意味だろ」


いや、お前も馬鹿だろ と、皆が思ったのは言うまでもない。

「…皐月の答えも違うじゃねーの。ったく、これだから バカ2人に任せるとろくなことが起こらないねぇ」

「あら、山崎くん。案外 頭が良いのね。…まあ、あたし程ではないけれど」

「…褒め言葉として頂いとくよ。ありがたき幸せでございます、女王蜂さまぁ」

「…毒針で刺すわよ」

「相変わらず、物騒じゃねーの」

ゲラゲラと笑いながら、そんな言葉を発する彼。一体、あたし達は漫才でもしてるのかしら。


「で、結局どういう意味なんだよ。あ゛ー!イライラする」

あ、そうだった。これの意味だった…。きっと、これの意味は…


「Queenって言うのは、松坂サンのこと。狩りだから、狙うんだろうね…アンタのこと。しかも、それがスタートしたんだ。つまり、このメッセージは俺らに対しての【宣戦布告】なんだよ」

よくもまあ、こんな長い文をスラスラ言えるもんだ。…流石だな、亜希くん。

「俺達への…宣戦布告か…」

そう、ポソリと呟いた福田さん。

「正確にいえば、俺と美咲へのだと思うけどね」

すかさず、ツッコミを入れる悠貴。…一言余計なのよね、悠貴は。
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