あの日の雪を溶かすように
冬の空
仕事が終わり、レジを後にしたアリスは、気分が良くなかった。
というより 不機嫌だった。

すっかり暗くなった辺りを見回しながら、アリスは今日の出来事を
無かったことにしようと試みる。

   出来もしないくせに。

そんな自分に苛立ちながらも、帰路を急ぐアリスの足元から
妙な感触がした。と、同時に、グシャッという危険な音も聞き逃さなかった
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