あの日の雪を溶かすように



「よ、アリス。調子は?」


シュウが相変わらず手ぶらで病室に来た。


「…いいよ。すごく。」


「そりゃよかった。」


「…今日、23日なんだよね。」


「あ?ああ、明日クリスマスだな。
ん?イヴか?毎年、どっちがどっちだか…」


「ね、シュウ。昨日は…どうだった?」


「ぁ〜わりぃ。収穫ゼロ。マジむだ足。
…あ!でも、…」


「?」


シュウはニカッと笑った。
「でも、すっげぇ夜景キレイな駅見つけた。
名前が、なんと須田駅!」


「…スダ?ツダじゃなくて?」


「スダ。ツダじゃなくて。」


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