仮面の女
福谷 雄祐
『本日のゲストは米倉ミチカさんで~す!』



バラエティ番組のゲスト紹介コーナーを見て、



ほんの一年前には私があの場にいたんだな、と懐かしむ。



ミチカは、荒れ狂った芸能界の中でも少ない、本音を語り合える友人だった。



もう身を退いた今、



芸能人として忙しく働くミチカに連絡をするわけにもいかず、



ほぼ毎日会って話していたあの日が嘘のように、



全く連絡もとらなくなった。



あのスキャンダルさえなければ……



「…っ……!」



一年たった今でも、思い出すだけで涙と同時に怒りが沸々と沸き上がってくる。



…でも……



所詮もう過去のこと



……ただ…



「……ん?…どうした?」



押さえきれない怒りに震えた背中を見てか、同じ部屋にいた彼が反応する。



「……なんでもない…」



「なんでもなくないだろ?……思い出しちゃったのか…」



ソファに座っていた私を後ろから抱きしめてくれた。



彼は、最近若い女子たちに大人気のイケメン俳優「福谷 雄祐」



「大丈夫だから…」



彼はいつだって優しい。



私と同い年なのに包容力があって、いつだって心を預けられる。



「…うん……」



「…愛してるよ……」



彼に顎を持ち上げられ、優しく唇を重ねられる。



「……彼氏には、もっと弱いところ見せろよ」



…彼氏……



私はその言葉から少しの罪悪感と、



反対に暖かく心を包む安堵感を感じながら、



彼に身をゆだね、一夜を過ごした。



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