マシュマロな彼
●甘甘王子と私



桜咲き乱れる春。


私の通っている、とある私立高校の中庭には、大きな桜が咲いていた。




そして、そんな桜を2階の教室の窓から眺めている私。



八枝 桜 (やえだ さくら)。



桜って名前は好きだけど、私には全然あわない。


桜って名前の人は明るそうなイメージだけど、私はそんなんじゃない。



むしろ、クールっていうかあんまり喋らない性格。



そんなんだから、小学校…中学校ときても告白なんてまるでなし。



それどころか、友達だっていない。


そんな青春とはかけ離れた存在であった私に………とうとう春が来ました。


春、というのも……実は私生まれて初めて恋ってものをしちゃったんです。



はじめはこの気持ちが何なのかよくわからなかったけど、


ある日たまたま見ていた雑誌の端に載っていた



「恋しているかチェック」で見事「恋してる率100%」に。



その時初めて気持ちの正体を知ったんです。



そして、肝心の恋しちゃったお相手の名前は………





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